檀家とか総代とかって何?お寺 コミュニティまとめてみた

お寺 コミュニティとは?

最近、何かと話題の「コミュニティ」、 お寺 も、いろんなコミュニティを形成しています。一番代表的なものは、壇信徒会総代会、そして講中です。

それぞれ定義しておきましょう。

壇信徒会

壇信徒会とは、お寺を支える支援者である檀家信徒をまとめた檀信徒が構成する会を指します。お寺コミュニティの中でも、支援して、その見返りにお寺から便益を提供される人たちです。普通の企業で言う「消費者」や「エンドユーザー」に該当するものです。

それぞれ、檀家と信徒の違いについては、ウェブサイトでも以下のような定義になっています。

信徒とは、浄土宗の教えを信奉し、その寺院に所属する人をいい、檀徒とはそのなかでも、継続的にその寺院で仏事をいとなむものをいいます。ですが一般的には、檀家とはその寺にお墓を持っている家のことをいい、信徒とはそのお寺にお墓はないけれども、葬儀、法事などをおまかせする人のことをいっていることが多いようです。(浄土宗ウェブサイトhttps://jodo.or.jp/adherent/index2.htmlより)

この中にある、檀徒は檀家とほぼイコールのものだと思ってください。あくまで、これは一つの定義ですが、檀家はそのお寺にお墓を持っているし、一家の葬儀はすべてそのお寺に頼む場合が多いです。信徒は、「単純に仏教を信じている人」であり、そのお寺に法事や葬儀を頼む人から、毎日お寺に赴いて拝む信心深い人もいれば、数年に一度の法事の時しかお寺を頼らない人も含めて指している場合が多いです。

それらの人たちで構成されたものが壇信徒会です。なので、熱心な人からそうでない人まで、お寺と利害関係が直接ある人からないひとまで、色んな人がいます。多いと100を超える檀家を抱えるお寺もありますが、だいたい30~60程度ではないでしょうか。

基本、檀家の方がパワーを持っていますし、実際、お墓をまともに持てる時点である程度の資産を持っている方が多いです。

総代会

総代会とは、「檀家の中から選ばれた、『寺院の経営の決定をする人たち』」です。お寺の住職(と家族)と総代によって、お寺の経営の決定が行われます。こちらは普通の会社でいう「株主」に近いのではないでしょうか。ただ、持分も株式も存在しないお寺において、総代はあくまで「選ばれた人たち」です。

各宗教法人には規則があり、その規則に基づいて運営していきます。法人の役員は住職(=山主)が代表役員、他に責任役員が2名で役員が5名で計8名となります。その役員の中でもお檀家さんの中から選ばれた方を「総代」と言います。(http://www.joenji.jp/sp/blog/zakkan/%E5%BD%B9%E5%93%A1%E3%83%BB%E7%B7%8F%E4%BB%A3%E4%BC%9A/より)

お寺の経営を握っている存在、それが総代であり、株主総会ともいえるのものが総代会なのです。

そのため、「お寺を建て替える」「こういう設備を入れる」などの重大な決定や1年間の予算と決算はここを通して、決議されます。

講中

講中とは、同じ「信じて、お祈りする」仲間で構成されている集団を指します。といっても、すこし昔は地域や町会ごとに講中が存在し、その中において互助会のように、葬儀のときの便宜が図られていましたが、地域のつながりが薄くなった現在、縮小傾向にあります。

法会の一種であり、経典を講じる法会のことを指します。講会(こうえ)とも呼びます。転じて、民俗宗教における宗教行事を行なう結社のことです。またその行事・会合のことでもあります。講社(こうしゃ)ともいいます。(http://www.suisovie.co.jp/mla%EF%BC%88%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%83%88%EF%BC%89/%E6%B3%95%E5%BE%8B%E3%83%BB%E6%95%99%E9%A4%8A%E7%B7%A8/%E8%AC%9B%E3%81%A8%E3%81%AF/より)

法会(ほうえ)の意味は分からなくても大丈夫ですが、要するに講中というのは宗教行事を行うサークルです。つまり、檀信徒会や総代会のようなフルコミットのものではないのです。加えて、お寺というよりは信仰あっての集団となっています。月1回から年1回まで、頻度も様々、イベントの数や種類もバラバラです。会社で言えばファンクラブみたいなものです(会社にはそんなものありませんが笑)。「一日講」「八日講」のような日にちを決めたものや、「伊勢講」「大山講」のような、お参りする対象を決めたものなど、さまざまです。古くは江戸時代からあり、「お伊勢参り」するための集団が「伊勢講」なわけです。

お寺コミュニティここ最近

さて、ここまでお寺に関する3つのコミュニティを紹介していきました。それぞれ、お客様として、経営決定権を持っている人として、ファンとしてのコミュニティと分かれていたわけです。

これらのコミュニティが縮小していることは多様な原因がありますが、シンプルに言えば、属する人たちに便益が少ないこと宗教自体が信用しにくいと感じてしまっていることが指摘できるかもしれません。

最近のお寺トラブルは、なんということか、お金系のトラブルが増えています。「檀家をやめると言ったら莫大なお金を請求された」といったダイレクトなものから、「結局お寺は何で生活しているんだろう」という不明瞭さに対する不満によるものまで、さまざまです。

日本の宗教を信じている人の割合は、統計数理研究所によると、1958年の調査時には35%だったものが、2013年には28%に減少しています。また、「宗教心は大切か」という設問にも、1983年の調査では80%も大切と答えていたのが、2013年の調査では66%に減少しています。こちらは、「衣食住が足りてきたこと」がひとつには考えられますが、それ以外の原因も考えられるでしょう。

さて、こういった宗教の既存のコミュニティはほころびを見せてきています。これからは3つのことでお寺コミュニティについて考えていきたいです。

  • 既存のコミュニティの活性化
  • 既存のコミュニティ間の交流・合体
  • 新たなコミュニティの提案・構築

そのため、改めて既存のコミュニティを整理したのが本記事でした。また次の機会に、これらのことを書いていくこととしましょう。

 

〇下記テーマで書いた記事一覧

・既存のコミュニティの活性化

お寺は文化の担い手になれるか? ①お祭りから考える

・既存のコミュニティ間の交流・合体

 

・新たなコミュニティの提案・構築

今はやりのサロン。次はお寺サロンを作ろう。

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  1. […] お寺はいろんなコミュニティを持っています。そのため、地域に住んでいる人たちとある程度の関係性を持っています。また、地域の中でもある程度存在感があります。マンションやア […]

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