山梨生活、始めました(といっても1年経ったけど)
久しぶりの更新です。
今年から長く住んでいた実家の神奈川県川崎市から、縁あって山梨県甲府市に引っ越してきました。
いわゆる「地方移住」「Iターン」です。
もくじ
山梨県に移住した理由
移住した理由はいくつもあるのですが、特に大きな2つの理由を。
「東京」から離れたかった
まず大きな理由の一つに、「東京とは別軸の社会に入りたかった」というのがあります。
働いていたのと、いろいろな情報を手に入れていたのは東京だったのですが、正直情報過多(言い方を変えれば胃もたれ)していました。さらに、何もかもが高速で、何もかもが競争で、ついていけなくなっていました。
そして、何かを始めても「それは君よりこの人の方が早かったから」と注目もされない感じがあり、「オンリーワンになること」自体が猛烈に難しかった、という点で「東京ではないところで、今やっていることを仕掛けてみたらどうなるのかな?」と思って、地方移住に関心を持ったのが2019年。コロナもあり、生活の見直しをしたことも大きかったかもしれません。
今更ながら、NPOに関わっていきたい、と思ったきっかけは、「人生を、何度でもやり直そう」と銘打った地方短期移住×人生見直しのプログラムを作った団体の代表と語り合ったところからだと思い出しました。
大学時代に「寺院の情報開示」の研究の中でNPO会計の世界を見たのも関心のきっかけですが、さらに「関わってみたい」と関心を持たせてくれたのは、その世界を実際に見て、実現しようとした人と話したからだと思いました。
そのうえで、次の理由につながるのが、「寺院活性化」と「社会貢献活動」をつなげることと、「地域活性を現場で汗かいてやる」ことの2つがそろった場が出来たから、ともいえる気がします。
山梨県の「お寺を場にした地域活性化」をしたい(お寺の活性化ではなく)
山梨県甲府市に移住した理由の大部分は、「手伝っている団体にもっとコミットしたい」というのがありました。
地方移住を本格的に考え出したのは2021年でしたが、候補がいくつかありました。
1つ目は、栃木県の益子町。
実家のお寺には、益子焼を世界に広めた民藝運動家で陶芸家の濱田庄司氏のお墓があります。そのこともあり、益子町には何度か足を運び、知り合いも出来ていました。
偶然にも、那須烏山市に知り合いもおり、「正しい田舎で作陶とその発信をしていく」道もありだなと思いました。
しかし、それを選ばず、縁もあまりなさそうな山梨県甲府市を選んだ理由は、「当時手伝っていた団体が山梨にあり、その活動・支援にコミットしたい」という気持ちが大きくなったことがあります。
2021年から2年間、寺院活性化の支援に携わって気付いたこととして、「寺院だけが活性化して、どうする?」だったんですよね。
公益法人としての、または非営利組織として活動する「お寺」が、「お寺が稼げてから地域にお返しする」でいいのだろうか?という疑問、違和感が生まれました。
そう思って、偶然2020年から関わっていた、一般社団法人SOCIAL TEMPLEの活動にもっとコミットしよう、新たなお寺づくり(地域活性化を担うお寺づくり)に携わろうという気持ちが改めて生まれて、「であれば、知り合いも多いし、幾分街の中だし」と都市である山梨県甲府市を選びました。
(正しい田舎暮らしも憧れますが、やはり180万人都市に住んでいた人間がいきなり田舎暮らしはできない、とも思いましたし…笑)
と、他にもいろいろありますが、特筆したかった理由を2つ紹介しました。
さて、では今年あったことをまとめてみます。
今年のトピック
いろいろありましたが、いい感じに分けられたので5個のトピックにしてみました。
自治体相手のお仕事、ファンドレイジングとのつながり
2023年2月から、自治体様を対象にした「広報」のツールとしてのHP制作会社に勤めています。といいつつ、8月からは同じく自治体様を対象にしたITコンサルに変わったのですが…
自治体でも、NPOでも、「広報」の重要性は、僕がNPOに関わり始めた2020年から高まってきていると感じます。
なんとなく、販促は「課題解決」で、広報は「価値発信」、の違い、という感じでしょうか。この辺はまだ感覚的なので言語化したいところですが…。
自治体のふるさと納税を売り込むのは「販促(宣伝)」、移住してもらうための発信は「広報(シティプロモーション)」、みたいな。
自治体が何かを売り込むことも増えましたが、住んでいる人にとっての価値やこれから住民になるかもしれない人に対しての価値を発信して届けること、を「広報」としてとらえるとわかりやすいのかなと思います。
だから、NPOのファンドレイジングの、「この団体の活動の価値の可視化・発信」という視点も近い部分だと思って、仕事を選んだところがあります。
一般社団法人SOCIALTEMPLEにコミット(はできなかった)
そして、移住場所を選んだ大きな理由である「SOCIAL TEMPLE」の活動にコミットするという目的。
実際はすごくコミットできるかと思いきや、「ファンドレイジングができる」ということもあり色んな所にお声がけいただくことに(ありがたいけど)。
本末転倒かもしれませんが、本来目的だったはずのSOCIAL TEMPLEの活動自体には大きくコミットできず、ある程度注力できた、かな?くらいで止まってしまったのが心残りです。残念。
それまでは団体のファンドレイジングを主に従事していたところ、「新規事業立ち上げの伴走責任者(事業企画)」を兼任していました。
しかし、後述するまちづくりNPOの立ち上げやミュージカル参加でそれどころではなくなり、絞り切れなかったところが反省点です。
ただ、全くできなかったわけではなく、新規事業のスタートに向けて動いてはいます(のちのちリリースされる予定もあります!)。
また、団体のデジタル化促進や寄付募集活動、団体広報には引き続きコミットしていくので、具体的な予定を立てねば、というところです。新年最初の仕事はそこからですね・・・。
団体の広報の強化の一環で、SOCIALTEMPLEのことが3分でわかる!という記事も作ってみたり…
自分が参加した「ニコニコ超会議」内の「超テクノ法要」のイベントレポートを執筆したり…
はたまた、日本ファンドレイジング協会のつながりから、「寺院と布施(寄付)」の勉強会を主催したり…
来年こそはもっとコミットしようともくろんでいるので、その目論見をちゃんと整理しようと思います。明文化と期限決めと優先順位がないと何も進まない…笑
まちづくりNPOの立ち上げに参画!
というわけでSOCIAL TEMPLEに振り切れなかった言い訳その1。
きっかけは、昨年まで深めに関わっていた横浜の中間支援NPOのアクションポート横浜から、「横浜アクションアワード」というイベントの手伝いをしてほしい、という要請があり、そちらに。
そこにいらっしゃった、別のNPO「横浜コミュニティデザインラボ」の代表から、「山梨県でまちづくりのNPOをしたいという話があり、寄付を含めたファンドレイジングがわかる人をつないでほしいという声がある」とお引き合わせがあり、その2週間後くらいにはその立ち上げをしたい人と、山梨県甲府市内でお会いしました。
そこからは、NPOの立ち上げ(主に認証までの書類作成)と、メイン事業となる「甲府経済新聞」の立ち上げに携わりました。
いろいろ時間こそかかりましたが、「甲府経済新聞」は10月末にリリースされました。
ちなみに、僕自身もたまにライターとして記事を書くこともあります。
団体自体は来年頭に認証が通る予定で、来年からは団体としての活動を推進する支援が始まります。
とはいえ、立ち上げのこまかな点をさらに洗練する必要があるため、組織のデザインをしたり、事業部の構成・名称を考えたり、収支計画・事業計画の策定をサポートしています。
別枠として、「アースデイ甲府」のこけら落としにも携わり、開催までのマネジメントなどをサポートしていました。
こちらは来年も開催予定がありますので、粛々と準備中です…!
歌って踊れるファンドレイザー?ミュージカルに出演
言い訳その2。もういいか。
5月から、100人で、100日でミュージカルを作る「コモンビート 100人100日ミュージカルプログラム」に参加していました。
2019年9月に友だちが出演しているのを見に行って、団体としての活動に興味を持ち、最初の入り口が「賛助会員」というNPO法人コモンビートの、メインプログラムにやっと参加した感じです。約4年越し。
8月19日・20日に東京都にある北とぴあで公演してきました。
長々とプログラムの大変だったよ的な話はnoteに散々書いたのでそちらに譲りますが…
個人的に、参加した経緯は「NPO法人コモンビートという団体への恩返し」でした。
賛助会員として、いろいろ関わらせてもらい、団体のすごさと、コロナ下で全くミュージカルができない大変な時期の乗り切り方を見ていました。
そして、表現の場を提供し続けようとする活動を見て、オンラインの活動の場を作ってもらえたこともあり、その恩返しをしたくなったというのが出演の理由の一つです。
「参加したい意欲が、参加資格」というくらい、受入の幅が広く、なんなら「目が見えない」「車いす」という方も出演できるようなミュージカルを作る、という新たなチャレンジに同伴出来たことも貴重な経験でした。
ちなみにこの項目の見出しは、知り合いの仕事でファンドレイジングに関わっている人に名付けられたものです。なんか音がいいんだよな。笑
さらに、コモンビートという団体が20周年の記念に開催した「コモビフェス」にも、コモンビートのミュージカルプログラムのことを紹介するブースを作りました。
正直言うと一番コミットしたのはコモンビートだったかも…?
KIFUBARを「自らイチから」企画・開催してみた
言い訳ばっかりなのもアレなので、個人の活動の話も少しだけ。
2022年に東京都内で「飲めば飲むほど寄付になるスタンディングバーイベント KIFUBAR」をずっと手伝っていました。本当に1ボランティアスタッフとして。
KIFUBAR自体は、2017年が初回開催、コロナ下でしばらく休みに入ったのち、復活したのですが、コロナ前はいろいろな地方でも開催していました。私が知っている範囲で、北は北海道、南は熊本。
そんなコロナ後に「最初に地方開催する!」と本気で考えて、先述の山梨タンクの代表に「こういうのやりたいんですけど…」と持ちかけました。
そうすると、何とすぐに場所が見つかり、4月には山梨県主催として開催を迎えることができました。
以降、甲府市内で累計4回開催し、さらに山梨県内別地域である富士吉田市でも開催。
延べ参加者数は50名を超え、51,600円の寄付をすることができました。
来年はさらに地域の企業・団体を巻き込んでいきたいと思います!
総括
大きく5つトピックを書きましたが、総括すると、「ファンドレイザーのキャリアが現実にできそう」ということでしょうか。
これまで一致しなかった「公私のキャリア」を、少々荒い形でも一致させられた(自治体コンサルティングとNPOのファンドレイザー)のは個人的に大きかったです。
あと、山梨における「ファンドレイジングとお寺の人」で認知されるようになったので、もう一息?というところでしょうか(この記事を書いている最中も動きがありました)。
「寄付月間賛同パートナー」に初めて参戦するなど、ほかにも細かくトピックはありますが、少しずつ、「ファンドレイザー」としてのキャリアを作る、段階に行きたいな、と思ってます。
どうしてもやりたいことが沢山出てきてしまう中、ブログ更新も全然できていませんでした。
山梨移住で見つけたこと、ファンドレイザーの現場で見つけたこと、研究成果もろもろこちらのブログでは発信していきたいと思います!
1995年神奈川県川崎市のお寺生まれ。中高は全寮制男子校に6年間通い、その後横浜国立大学経営学部にて「宗教法人の情報開示 ~公益性の観点から~」をテーマに、ソーシャルセクターの中の宗教法人の情報開示を、公益性・社会性の観点から評価し、開示する方法を研究。その後はコンサルティング会社で働きつつ、「#お寺をアップデート」を合言葉に、お寺をソーシャルグッドな存在にするための方法や、お寺のこれからのカタチを発信している。また、実際にお寺の現場に訪問し、お寺のアップデートを実際に手伝うことも。詳しいプロフィールはこちら>>
この投稿へのトラックバック
トラックバックはありません。
- トラックバック URL
この投稿へのコメント