可能性を活かすとは、選択 することから

可能性を広げること≠ 選択 すること

よく、「可能性を広げるために」「自由が欲しくて」という目的で、なんとなく進学を決めたり、旅に出たりする人 選択 をする人がいます。(ここは一般論なので僕の周りにはいませんが)

これは、結構大きな誤解だと考えます。どういうことかというと、選択しない限り、可能性を広げる一方で可能性を殺しているからです。つまり、幸せになるための選択肢を確保せずに、より良いものをと求め続け、結局選択せずにいようとする態度は無駄だと。

という論理を見つけた時に、すげえなと思いました。あ、これ押井守さんの『ひとまず、信じない』に出てきました。

ざっと流れを下記に書いておきます。

この本は、押井守さんの現代における幸福論を書いたものです。押井守さんは、「攻殻機動隊」などを創った映画監督であり、虚構に現実を宿らせるという仕事をしてきていました。その中から、幸福論として、人生の優先順位を決めておくことが重要としています。次に、仕事論として、「人間はだれかに必要とされることが重要」であり、それは成果を出す有能な人に限らず、すべての人にポジションは存在している、ということを指摘しています。
政治論になったところで、「自由とは責任を負うことによって意味をもつ、無責任な自由は詰まらない」と述べています。

その次の節で、可能性を留保し、選択から逃げることは、その可能性を殺すことである、と述べているわけです。可能性を選択し、その選択でうまくやっていく、うまくいかなかったらまたアップデートするかむしろやめるかを考えればよい、と。

学術的裏付けを加えてみる

実は、可能性を殺すというのは、科学的にも証明している。それは、シーナ・アイエンガーの「ジャムの法則」である。以下他のブログより抜粋。

選択肢が多いほうが良いわけではない。「ジャムの法則」

選択肢は多い方がいいのか、少ない方がいいのか。

「え?選択肢は多いほうがよくない?」と思うかも知れないけど、これまた残念なことに事実は反対なのだ。多すぎる選択肢は人にとってはマイナス以外の何物でもない。

 

これはシーナ・アイエンガーの名前を一躍有名にした社会実験なのだけど、彼女は適切な選択肢の数はどれくらいなのかという事をスーパーの売場に置いたジャムの数から最適解を導き出したのだ。

彼女のこの業績はジャムの法則という名前で一般的に知られている。

この実験の概要はこうだ。アメリカの高級スーパーマーケット・ドレーガーズのジャム売り場で、24種類のジャムと6種類のジャムを並べ、それぞれの売り場における売上げを比較した。

その結果、多くの人が訪れたのは24種類のジャムを用意したコーナーだったようだけど、購入者数はなんと6種類のジャムを用意したコーナーの方が10倍も高かったのだという。

つまり、多すぎる選択肢は人から”選ぶ”という意思決定プロセスの難易度をメチャクチャに上げるのである。

そう、選択肢または可能性を茫漠な場所に探すと、結局何も選べなくなってしまうということが、実験でも証明されてしまっているのである。まさに可能性を留保し、選択から逃げることは、その可能性を殺すことである、わけです。(まあこの記事書きたくなったのは、このブログをツイッター経由で読んだせいですが)

では、実際に例を考えてみましょう。

例で考えてみる

例えば、大学入試。私から見れば、大学生活は「自分がやりたいことができること」を条件にして、入学してから楽しいこととかは探せばよいと思っていましたので、ある程度の学力があるにもかかわらず、やりたいことができるという理由でトップ層の大学を捨てました。
一方で、たくさん浪人してより上の大学をという人(といいつつ、医学部とか薬学部は違うかもしれませんが)やせっかく入学しても「あの大学が良かったー!!」といういわゆる学歴コンプの人を見ました。それを見ていて思ったのは、一旦入ったからには楽しめばいいのに、やりたいことをまた見つけなおしてやり直せばいいのに、ということです。選択したからには、その選択の自由に責任を負って、自分の人生の優先順位を決めなおせばいいのに、と。可能性をひたすらに探究する人はそういう点で可能性を殺していると思います。

例えば、少し先のステージにして、婚活の話です。私は婚活したことがないのでよくわかんないですが、あれは優先順位を決めない限り、それこそ可能性ばかりが拡大してしまい、結局幸せになれなさそうだなという印象です(なのでできれば避けたいです)。「たくさんお見合いパーティー行って、いろんな人とコミュニケーションとれます、実際楽しいです!」という反論を頂きそうですね。ありがとうございます。それ、「手段の目的化」または「人生において今だけしか考えてない」好例ですよ。僕に言わせてみれば。良い人がいるなーって思ったら、「とりあえず付き合って、考えてみよう」というのが一番な気がします。だって、実生活しないと何もわからんでしょ?

とまあ、私が本を読んで思った、というより「すげえいい論理」って思ったので発信したくなりました。

選択しない努力

ついでにいうと、選択しない努力もこれから必要になります。それは、選択する幅を狭めることではなく、「選択する軸をたくさん決めておくこと」です。先ほど、幸せになるためには優先順位を決めるという話もありましたが、加えて、選択するための軸をたくさん持つと、無駄な思考をする時間が減ります。というのをひろゆき(@hiroyuki_ni)さんが『無敵の思考』で書いていました。

ひろゆきさんは「努力しないための努力をしなさい」という話をしていて、「これうちもやってる!!!」とか思いました。優先順位が決まっていればおのずとこれはできるようになるはずです。

例えば、人生において、「仕事かプライベートか」問題はよくあると思います。僕は「いやなんでどっちも取らないねん」ですが…。もっと言えば「趣味を仕事にしていく」「仕事を趣味にしていく」という方向に僕は歩いてます。脱線しましたね。これであれば、仕事のこの部分は許せるけど、これは無理、プライベートのこの部分は確保しておきたい…尽きない悩みだと思います。でも、努力しないための努力ができる人は、間違いなくこんなことで悩みません。優先順位の低いことなら、「いや定時帰りするわwww」「とりあえず服はユニクロの安いのにしとくわwww」など、先に決めておけば、頑張って○○すること、決めなくちゃいけないことが減るわけで、それ以外の優先順位の高いことに費やせるわけです。

なので、可能性を留保し、選択から逃げることは、その可能性を殺すことである、そして選択しない努力を増やすとより優先順位の高い選択に集中できるよねっていう話でした。アタマごっちゃごちゃになりがちな皆様に届け!!!

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