公益性 は、自らが満たされるところから。(公益性の3要素「豊かさ」)
もくじ
公益性 はまず自分のために
「 公益性 」という話を、「公共」「共生」と話してきました。そこまでは、「ほかの人にとってどういう効果があるか」という、他者の視点が強いものでしたが、この「豊かさ」の話は、自分自身が人のために何かをするために必要なことについてです。
とある、インキュベーションカンパニーの社長はこう言いました。
自分が幸せになってから、周りの人を幸せに
皆さんが飛行機に乗ると必ず、緊急時の酸素マスクの装着について説明を受けると思います。(中略)機内にある説明書には、「まず親がマスクをつけてから、次に子どもにつける」と書いてあるはずです。
親が子どもの命を守るためには、先に倒れるわけにはいきません。そのため、まず自分の安全を確保してから、子どもをしっかり守れるようにするのです。
(中略)まずは、自分自身が幸せになる。それから、家族、友人、お客様といった自分の周りの人たちを幸せにする。これがとても大事なことなのです。
そう、まずは自分が幸せでないと人は幸せにできないのです。だから、個人が公益性にコミットするためには必ず「自分がその公益性にコミットできるような豊かさがあるか?」という問いかけが必要になるのです。他者のために、行動を起こすには自分が豊かである必要があるのです。
では、個人が公益性にコミットするために、どんな「豊かさ」を持っておくべきなのでしょうか?
「豊かさ」もいろいろ
どんな豊かさ、という点で言うと、ひとことでスパッと言えないところがあります。なぜなら、いろいろな要素が、人や社会の豊かさを定義しているからです。
「豊かさ」は下記のように要素分解できます。
大きくは、「精神的な豊かさ」と「富裕さ(または物質的豊かさ)」に分かれます。
どうして、こういう豊かさが必要なのか?どうして、公益性を満たすためには豊かであるべきなのか?それは、個別の要素を説明していく中でわかってくるはずです。
精神的な豊かさは、公益性の正しい理解に
精神的な豊かさの要素は、さらに「幸せ」「教養」「道徳」の3つがあります。
なぜ、この3つなのか?
「幸せ」の部分で言えば、自分が幸せでなければ、という話は先ほどもしましたが、そもそも良い社会を作るには、個々人が幸せであって、その積み重ねなのかなと考えています。「共生」の要素を説明する際にも書きましたが、一人一人がつなげていく、のように一人一人が幸せに生きること自体が、社会を良くする、とも言えます。
「教養」の部分が必要な理由は、それがないと「どうしてそれが社会を良くするのか?」を言語化できないから、自己満足に陥るし、周りも受け入れてくれないという状況が生まれるので、必要と言えます。最近は減りましたが、災害ボランティアの「ありがた迷惑」が結構あって、善意が「自己満足」にしか感じない場合があります。
なかには、さばききれないほど大量の物資を送ったり、自身の食料や寝床を確保せずに乗り込んだりするなど、「モンスターボランティア」「押しかけボランティア」と批判を浴びる人たちも少なくない。
ニュースサイトで読む: https://biz-journal.jp/2016/06/post_15543.html
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上記のように、記事になるくらい発生しているし、記事内でも開沼氏が「ありがた迷惑」なボランティアについて言及しています。
なによりも「どういうことが社会にとって良いことか」を思い込む情弱さ、どう良いものかを説明できていない教養のなさが現れていると考えます。だから、「教養」という要素は、社会を良くしたい!という思いを正しく伝えるために必要なのです。
「道徳」の部分が必要な理由は、「自分が何をすれば良いのかを判断する軸」を持つことが、公益性を考えられる力だといえるからです。
さっきの「教養」の部分でも話したことにも関連するのですが、「今ここで自分がやるとよいこと」というのは、普段からどういう生き方をするべきか、というのを理解していないとできないと思うのです。
例えば、僕の場合は、仏教の道徳で考えることがあります。仏教の基本道徳は「八正道」という、8つの正しいことをするための軸があります。
「正見」「正思惟」「正語」「正業」「正命」「正精進」「正念」「正定」という8つですが、これらを軸に考えると、自分がどういうことをすることが良いのか、おのずと見えてくるということです。
公益性のために自分は…?
経済的豊かさは、語らずともお判りいただけるとは思いますので、ここでは精神的な豊かさという部分を書きました。
公益性を考えるときに、自分はどうなっているか、どうなっていたいか、どういう軸で考えるか、というのが抜けてしまうと、結局自己満足、それだけになってしまうという現実があるわけです。
だから、「幸せ」「教養」「道徳」を身に付けて、公益性を考えていただきたいと思います。
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