大学 って、ここまで自由で多様性がある場所だよっていう話
突然こんな記事を載せるのは、大学 生活って結局何をすればいいの?という新大学生のみなさんに、いま社会人2年目のしまさんが、大学卒業時に、「後輩へのメッセージ」として学会誌に掲載した記事をお見せしたいなと思って書きました。
※所属していた団体名などは伏せています。
もくじ
新大学生へのメッセージ
新入生のみなさん、晴れてご入学おめでとうございます。これからあっという間で、そうでもない4年間が始まります。この際なので、「俺みたいになるなよ!!」的なこと書こうかと思いましたが、先生(筆者注当時のゼミ教授)にだめっていわれそうなのでちゃんと書きます。自分の考え方半分、それを論証するための自分の大学生活の話半分って内容です。
大学 ほど多様性が認められる場所なんてないよ
さて、いきなり見出しが謎です。ここで言う「多様性」って、いろんな環境で育ってきて、いろんな学校から来て、いろんな性格の人がいて…その意味での多様性です。
たとえば、僕の場合なら神奈川県の寺生まれで、中学高校と栃木県にある全寮制男子校に通っていました。この時点でかなり特殊な環境で育ってきたのですが、大学を選んだ理由も、会計学に興味があって、自分の家が寺だし、宗教法人会計の研究ができそうなところを探しました。そうしたら、非営利組織(学校やNPOなど)の会計が学べるところが偶然この大学でした。
そして、入ってきてから、いろいろカルチャーショックを受けたことがありました。いろんな人がいるんだな、と新入生交流会やサークルの新歓で感じました(いまとなっては、という感じですがね)。大学には「遊びに来ました」という人、日々異性を口説いている人、サークルの履修相談テントでお絵かきしている人、毎日のように構内を疾走(本当)している人…でもそんな人たちがのびのびできる場所が大学なのかな、と思います。もちろん、人に迷惑をかけちゃダメですけど…(笑)。
何が言いたいかというと、経営学部に来たからいわゆる「ウェイ」じゃなきゃいけないということはないし、そういう人しかいられない場所であってはいけないな、なんて思うんです。大学は多様性が高い方が良いよねって。
なぜなら、いろんな人たちがいること自体が価値であるし、いろんな考え方があることで個人の受容力とか思いやる力とかが身につくし、いろんな視点で自分や他人が見られるようになると思います。いろんな視点をもつ、ということをとても簡単にかつ本格的に学べるのが大学です。グループワークをする機会もありますし、サークルでいろんな地域や高校(または大学)、学部の人と話すことも多いです。そんな多様性を感じ、受け入れる機会も勝手に増えると思います。
なんとなく「やってみたら面白そう」は強い
やっと、自分の大学生活の話をします。
4年間でやってきたことを書き出すと、いろいろやってきました。学問関係なら、経営学と会計学、特に財務会計と非営利組織会計について勉強しました。サークル関係なら、野球部で中高大と合計9年の野球生活をしながら、遊ぶつもりで入った生協学生委員会で気が付いたらイベント企画に本腰入れてしまっていました。それ以外にも、アルバイトはレジ打ちを2種類、会計事務所の打ち込み、レンタカー屋の回送と、気になったものを片っ端からやってみました。そのせいでいわゆる「お休み」の日が亡くなりましたが…(笑)。でも忙しいなりに楽しく生活していました。
これらやったことを選ぶ基準は1つでした。それは「やってみたら面白そう」です。
シンプルこの上ないですが、自分で決めたことは、少し苦しいことがあっても続くものです。調子が良ければ楽しいですし、調子が悪ければ苦しいです。でも楽しいことのために、「面白そう!」に踏み込むのは大事だと思います。(筆者注ちなみにこの理論は、甲本ヒロトの「楽しいと楽は違う、楽しい事がしたいんだったら楽はしちゃダメ、楽しようと思ったら楽しい事は諦めなきゃ」という言葉をもとにしています)ついでに言うと、見返りが返ってくる前提がないほうがより楽しめます。
野球なんか最たる例ですね。プレーしてお金もらえるのはプロだけですし、関東選抜に選ばれない限り遠征費は全部自分持ちです。でも部活でやったのは友達に誘われて、楽しく野球を続けたい、無理したくない、という自分の選んだ道でした。まあ、練習するのが好きだった自分としては、野球サークルだとあんまり練習をする時間が取れないっていうのもありましたけど笑
「やってみたら面白そう」は、私の大学生活をデザインする中での基準でしたが、学問の中でも、サークルに入ってからも使える基準でした。
例えば、僕の研究したことは「宗教法人の情報開示」という会計学の中でもかなりマニアックなところでした。
しかし、実際に取った授業や本を読んで学んだことはもっと幅広いものでした。経営学の中でも王道の経営組織論や経営戦略論はもちろん、経営工学や人材論についても学びました。専攻である会計学も、非営利組織会計だけでなく、管理会計、原価会計、国際会計と授業をとっていろいろ学んでいました。加えて、興味がわいた分野の本や立ち読みで見つけた面白そうな学問の本や小説などなど…授業を受ける、教科書を読むだけが勉強じゃないですから。
しかし、それらの知識は卒論を書くときにかなり役立ちました。なぜなら、宗教法人(筆者注このときは、お寺ではなく、宗教団体すべてを対象に研究してました)も組織体なので、組織の構造の理解や成果の表現方法などがあります。さらに、宗教なのでその考え方についても本で読んでいました。それらを事前に学んだ知識から研究に直接または間接的に有効なことが多かったからです。寄り道も大事。でも目的を失わずね(笑)。
見出しに「強い」と書きましたが、「何が」「どう」強いのかというと、そのような「面白そう」は自分の感情であり、何か理由がつかなくてもやるという、見返りがなくてもいい活動なわけです。自分が楽しければそれでよし。なので、苦しいことがあっても楽しんでいけるし、誰かに何を言われても気にせずに、場合によってはその何かを言ってくる人さえも巻き込んで活動していけます。
その意味で強いと書きました。でも、卒業するために必要な単位とかは取らなきゃだめですよ(笑)。
結論、「これが私の生きる道」。
さて、最初に大学は多様性がハンパないよ、という話をして、私がどんなことをして、それはどういう基準でやることになったのかを話してきました。結論を言うためにこの二つの話をしました。その結論とは、ずばり「これが私の生きる道」です。
多様性が認められるということは、個性や自分のやりたいことをはっきり示すことをしてよい、恥ずかしくないということです。
そういう環境があるのが大学ですよってことです。
個人でやれることならば、個人ががんばっていろいろなことができるし、チームでやりたいことがあるならば、人を集めてやることもできます。逆に、いろいろな選択肢が用意されていて、それに個人が入ってやることを見つけていくこともできます。自由なのはもちろんですが、それ以上に多様性が認められて、やりたいことができる、やりたいことが見つかる、そういう環境が大学にはあるのです。
もちろん、探すために行動する必要もあります。見つからないこともあるかもしれません。でもそういう選択をすること、つまり「これが私の生きる道」と物事を自分で選択できることができる環境にこれから入っていけるのです。大学は、教育の集大成だし、ひとつのゴールなのです。社会に出る寸前の、最後の守られた(守られるべき)場所です。
だから、多様性を認められる一方で認める必要もあります。
ここでの多様性を受け容れることというのは、ほかの人がやることを受け容れてあげること、自分のやりたいことや考え方を強制しないことだと思います(この時点で私の考え方を押し付けていますが笑)。
僕はどちらかというと、人がやっていることに口を突っ込んでしまうタイプでした。おせっかいというやつですね。でも、ほかの人がやりたくてやっていることは、その人のこだわりがあるわけです。その人がやっていることで生まれる多様性をつぶしかねないわけです。
なので、自分がやりたいことに集中することがおのずと多様性を高めていくのです。大学の中でいろいろな活動があり、いろいろな人がいることで、いろいろな結果・影響が生まれていくのです。それを最大化するためのキーワードが多様性であり、個人個人がもつ「これが私の生きる道」なわけです。
これから大学生活を迎えるみんなにとって、大事なことは、やりたいことを持つこと、面白そうという好奇心を持ち歩くこと、そしてなにより大学という多様性の宝庫で自分のオリジナリティーを発揮してその多様性をまた高めていくことだと思います。ある人は「経営している中で、組織の中の人の心理を究めていきたい」、ある人は「いまのところ何やりたいかわからないけど、とりあえず遊び倒したい」、その「やりたい」を積極的に出していきましょう。もちろん、やるべきことはやったうえで、ですが(笑)。
そして、社会に出ても恥ずかしくない、「個人」を持った人間になりましょう。なにせ、こんなに個人の多様性が許される場所は大学以外なかなかみつかりませんから。
あとがき
ここまで、今度新大学生になる人に贈る言葉を書きました。この考え方が好き!嫌い!もかなり大事です。その感情はかなり大事です。
関連記事
では、なんで好きか?なんで嫌いか?それを追求するのも良いと思いますが、まずは素直にいろんなこと、「面白そう!」の従うままにいろんなことをやってみましょう。
こんなツイートを見つけました。
💡「PDCA」じゃなく「DCAP」でいこう!
PDCA(Plan Do Check Act)だとどうしても粗さがしがスタートしちゃう。そんなんじゃ新しいことにチャレンジできない。
👇
DCAP (Do Check Adjust Plan)なら「まずやってみて、問題があれば修正!」なので、どんどん新しいことに挑戦できる。#DCAPしよう pic.twitter.com/DxnL8CzryY
— さかえる/お金は飲み物 (@sakaeruman) 2018年8月15日
ということで、ともかくやってごらんや!というメッセージでした!!グッドラック!
1995年神奈川県川崎市のお寺生まれ。中高は全寮制男子校に6年間通い、その後横浜国立大学経営学部にて「宗教法人の情報開示 ~公益性の観点から~」をテーマに、ソーシャルセクターの中の宗教法人の情報開示を、公益性・社会性の観点から評価し、開示する方法を研究。その後はコンサルティング会社で働きつつ、「#お寺をアップデート」を合言葉に、お寺をソーシャルグッドな存在にするための方法や、お寺のこれからのカタチを発信している。また、実際にお寺の現場に訪問し、お寺のアップデートを実際に手伝うことも。詳しいプロフィールはこちら>>
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