【お寺 は誰のためにある?】お寺 はステークホルダーを意識してみよう

お寺 さんはいろんな人に支えられているかと思います。お檀家さん、総代さん、信者さん、地域の住民、出入りする業者様・・・あげたらきりはないですが。

これらの「組織の利害関係者」のことを「ステークホルダー」といいます。

企業経営の概念ですが、お寺もこの「ステークホルダー」の考え方が非常に重要です。

近年増加する「新たなお寺のカタチ」として、「若者を取り入れよう」「新しいことを始めよう」と張り切っていらっしゃる方。ご自身の趣味や思い込みで始めようとしていませんか?

 

何を考えるにせよ、この「ステークホルダー」の意識は抜けてはいけないのです。

 

しまさん
しまさん
ここでは、「お寺のステークホルダー」を考えてみよう、というテーマでお伝えさせていただきます。

 

お寺 のステークホルダー一覧

ステークホルダーマップを作ってみた。

言葉で説明するの大変なので、「ステークホルダーの一覧」を図説してみました。

お寺のステークホルダー

お寺の周りには、大きく4つのステークホルダーがあると考えます。

これらは、何かかしらの形でお寺とかかわりを持っています。

今までは、お檀家さん・総代さん、または信者さんを重視していたかと思いますが、それ以外の方まで意識して動かれていた方は少ないかもしれません。

これからは、お檀家さん、総代さん、信者さんに限らず、地域の住民や関係する業者さんにとっても、お寺と関わるメリットを打ち出していく必要があります。

では、それぞれ詳しく見ていきましょう!

目次

〇お檀家さん・総代さん

〇信者さん

〇地域住民

〇業者さん

お檀家さん・総代さん

お檀家さん・総代さんは、主に「お寺の支援者」として考えられます。

契約して、継続的に会費をいただき、お寺のサービスを受けている一方で、継続的にお布施をいただいたり、イベント時には自主的に参加いただいたりするかと思います。

“リアル住職”の蝉丸Pさんが、東洋経済2019年8月10・17号で定義しています。

維持費や護持費という年会費を払って檀家として所属するのが檀家寺(中略)檀家になるということは菩提寺と呼ばれる寺院のサポーターになるようなものなので、安定して継続的な供養を頼めますが、会費に相当する維持費や護持費などの負担、寺の行事や運営にもかかわるため、何かしらの役職につくことや手伝いを求められたりします。

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では、そんなサポーターの方にはどのように接するべきでしょうか?

どんな意識が必要か?

これからのお檀家さんとの関係性で大切にすべきは「支援者管理」の視点と「参加」の視点です。

「支援者管理」の視点

お檀家さんからお受けしている会費とかお布施とかは「当たり前のもの」ではない、と思っている人はいないかと思いますが、それに対してのお礼をどのようにしておりますでしょうか?

これからは、「支援者管理」をしていただきたい、というのは、いただいたお布施に対して、「領収証を出せ」、「お布施に単価を付けろ」という話ではなく、単純に「お布施をくださった方をちゃんと記録して、ありがとうを伝えましょう」ということです。

今まで、どのような形でお檀家さんと関わっておりましたでしょうか?正直、「既存にいらっしゃる、お寺のサポーター」という意識はなかったのではないでしょうか?

ですので、是非、「この方はどのくらいの頻度でお布施をくださるか」「いつお布施をくださったのか」をお檀家さんの記録と紐づけしておき、「奉納いただいているので、今度の檀家の集まりでお返ししよう」「ちょっと感謝のお手紙でも書こうかな」という気持ちで、ご支援者に感謝を伝えましょう。

実際に、NPOではこの支援者管理を実施することで、毎月の寄付者であるマンスリーサポーターが1.5倍増につながったり、単発寄付者がリピーターになったりしているそうです。この方法をお寺を使わないのはもったいないです。

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「参加」の視点

お檀家さんに、イベントや法要でお手伝いいただいていること、ありませんか?そのときにはいろいろお返しいただいているかとは思います。

その、お手伝いに、もっと楽しんでもらえるような仕組みや環境づくりをすることが必要でしょう。

詳細は下記の関連記事に書きましたが、「楽しい」「遊びのある」活動になっていくと、参加者も増えていくし、満足度の高いお手伝いをいただけやすくなります。

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信者さん

信者さんは、お寺さんに対して、檀家のような会費は払っていないが、定期的に参拝していただいたり、お坊さんと相談していただいたり、ご祈祷を受けたりしている方のことを指します。

では、この信者さんにはどのような関わり方をしていくとよいのでしょうか?

どんな意識が必要か?

信者さんとは、お檀家さんと同様に、「支援者管理」が重要になります。また、「お寺側から提供すること+α」を考えていくことが重要です。

信者さんも支援者管理?

「信者さんなんて多くて大変!」とおっしゃっているかもしれませんが、檀家さん同様、立派な「支援者(サポーター)」です。

ですので、1回ご相談いただいたら2回目もぜひ、昨年ご祈祷いただいたら、今年もぜひ、と単発からリピーター、リピーターから定期的なお布施をいただく、という流れを作っていくと、お寺のサポーターを増やしていくことができます。もちろん、檀家になってもらうことがゴールではありませんが。。。

お寺側から提供すること+α

お寺は、今まではともかく「相談を受ける」「祈祷する」に追われていたと思いますが、この「提供すること」をもっと適切にしていきませんか?というご提案です。

「相談」ひとつとっても、「何を相談できるか」を明確に打ち出しましょう。

例えば「家庭の問題から、人間関係の悩み、社会全般、仏事・供養・祈願などについての、悩み事・困り事の相談をお受けしています。」という記載が多いと思いますが、より具体的に「尼さんとして、人間関係、特に夫婦関係のお悩みをしっかりお聞きします」とか「元会社員なので、会社で働く中でのキャリアについて話聞きますよ」とかですね。「なんでもしてくれる」よりも「何をしてくれるか、誰が対象なのか」が明確なお寺さんに相談したいですよね?

そのような形で、信者さんとのおつきあいの仕方をアップデートしましょう。

地域住民

名前の通り、地域にお住いの住人の皆様です。最低限、お寺の存在を知っていることを前提としますが、お寺と関わったことがなくても、利害の関係が生まれます。

最近、お祭りとかの時に「うるさいから静かにできないのか」という問い合わせをいただいたりしていませんか?

地域住民とのかかわりも、これからは無視できないものになっていきます。どういう関わりが大事なのでしょうか?

どんな意識が必要か?

これから地域住民の皆様には、ぜひ「お寺とのかかわり方」を見せていただきたいです。

もちろん、積極的に関われたらハッピーですが、最初は警戒されてしまうでしょう。なのであくまで「提示する」にとどめて問題ないです。

地域の住民にとって「お寺は何してるのかよくわからない」

「お寺は何をしているのかよくわからない」それが一般の感覚です。

メディアサイト「てらのわ」さんが実施したアンケートでは「お坊さんは日頃何をしているかわからない・・・50.5%」と一般の方数百人に聞いた結果があります。

だから、お寺さんはこれから「何をしているのか?」をもっと開示していくことが大事となっていきます。

それこそ、日常の発信とか、SNSで手軽にできます。Facebookもツイッターももはや身近なツールではないでしょうか?

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ですが、地域住民向けには、もっとわかりやすく「お寺の掲示板」「グーグルマイビジネス」がおすすめです。この2つはお寺の近くに行くか、お寺の近くで検索した人が見つけられやすいツールなのでおすすめしています。

地域住民向けには、もっとライトなイベント、例えばお祭りとか、#TempleMorningあたりがよいのではないでしょうか。

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出入りしている業者様

お寺さんには、仏具屋さんとか、葬儀屋さんとか、幼稚園があれば幼稚園関係の業者さんとか、場合によってはNPOとつながってこんなことしてますよ、などなど出入りしていると思います。

では、こういった業者様にはどんな関わり方をしていくとよいのでしょうか?

どんな意識が必要か?

例えばですが、葬儀社様とはどのようなお付き合いの仕方をしていますか?

ただ葬儀の計画しているだけですか?それはもったいないです。お寺には「終活」のご相談に来る人も増えているというのに。

せっかくなので、葬儀社様には、逆提案で「終活でお客さんを先にとっておきませんか?」と言ってみると、お互いにメリットが生まれます。

ついでに、関連の士業の方もお呼びしましょう。そうすることで、終活の強みが増します。

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終活に限らず、お寺さんに出入りするいろんな業者さんとコラボしたり、地域のNPOなどとコラボしたり、もっと幅広くお付き合いのパターンを増やしていくと、お寺の地域での存在感が高まります!

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この記事を読んだら、やっていただきたいこと

以上、「お寺のステークホルダーを意識しましょう」という話をお伝えしました。

具体的には、総代・檀家さん、信者さん、地域住民、関連の業者様4つの主体を紹介し、それらとのおつきあいの仕方をお伝えしました。

最終的なゴールは「すべてのステークホルダーにとってWinWinを作る」ことです。

ただ、そのゴールは先の話になります。では、まずやっていただきたいことを。

〇お寺さんにとって、どんな人が関わっているかを書き出していただく

〇どんな方がお寺と付き合って価値になっているのかを考える

〇お寺がどんなことができるかを考えて、できれば関係者にご連絡していただく

という3点をまずはやってみてほしいです。

 

「自分で進めるの大変!」

「具体的に手法がもっと知りたい!」

というかたは、ぜひご質問ください!お気軽にお願い致します!

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