【お寺息子が選定】お盆に聴きたい「お盆を感じる」2曲

こんにちは。2021年も真夏、正確には残暑の候になりましたが、ご機嫌いかがでしょうか。

ここ1年、ブログよりもnoteというミニブログを使って、「自分の好きな楽曲を基に、伝えたいことを伝える」、その名も「しまさんの「読むRadio」」というものを不定期で更新していました。(気が付いたら30記事くらい書いていた)

▼過去一番「スキ」がついた記事(曲は緑黄色社会の「Mela!」)

そんな「読むRadio」ですが、今回は、お盆休み特別版を書こうと思いまして、「お寺息子がおすすめする、お盆を感じられる曲」を2つご紹介します!

・帰省の行き帰りの移動中、暇な方
・お盆は帰省しない分、気分を家で味わいたい方

にぜひお読みいただきたいと思います。

1.米津玄師「パプリカ」

ご存じ、「パプリ~カ~ 花が咲い~た~ら~ は~れたそ~らにたね~をまこう」の「パプリカ」です。

有名なのは、Foorinというグループが歌ったものですが、僕個人は作詞・作曲者である米津玄師さんの歌の方が雰囲気に合っていると思うので、あえてこっちを貼っておきます。

「パプリカ」の何が、「お盆らしい」のか。

それはずばり「歌詞」です。

このツイートにも書いたように、歌詞の一部に、「空にいるあなたに向けた想い・手向けたもの」のイメージ、もっとシンプルに言えば、お盆で帰ってきた方を出迎える様子をイメージさせられるフレーズが入っているのです。

空からまた戻ってくる季節に

具体的には下記のような歌詞に描かれています。

夏が来る 影がたつ あなたに会いたい
見つけたのは一番星
明日も晴れるかな

パプリカ 花が咲いたら
晴れた空に種をまこう
ハレルヤ 夢を描いたなら
心あそばせあなたに届け

米津玄師作詞・作曲「パプリカ」より

このフレーズで「夏が来る」とともに「影がたつ(=盛夏になる)」、そうなると「(今は居ない)あなたに会いたい」…ここの時点ですでにお盆のイメージが出てきます。

お盆は、空に行った大切な方が戻ってくるとき。

そう思うと、夏の時期が来るたび思い出す、ということになるのでしょう。めちゃくちゃ日本人独自の感覚なのかもしれません。

パプリカに関するちょっと考察

ちなみに、パプリカの花が咲くのは6~10月と比較的長いのですが、おそらくここでパプリカを選んだのは夏だから、というよりも夏のようなビビッドな「赤色」「黄色」であること、「花が咲いたら」の次の言葉「種をまこう」という言葉につながるように、種をたくさんつけるからではないか、とも考察できます。

さらに花言葉は「君を忘れない」。あまりにもピッタリすぎてしまい、「パプリカ」をタイトルやテーマに選んだ米津玄師さんのセンスを感じます。

「お供物」をイメージできる?

歌詞の中にお盆の「お墓参り」をイメージさせられるフレーズがあります。

会いに行くよ 並木を抜けて
歌を歌って
手にはいっぱいの 花を抱えて
らるらりら

米津玄師作詞・作曲「パプリカ」より

と、このフレーズで「これはお墓参りしに行ってるのかな?」と思わされました。

その前のフレーズで、「いまはいない、やさしかった思い出をいっぱい遺していった、あなた」のことを歌っている中、たぶん、亡くなった時にはすごく涙も流しただろう主人公が、いつしか「あなた」の死を受け入れて、お墓参りには歌いながら、手にはいっぱいの花を抱えて、らんらんるんるんでお墓に向かう。

そんなことまでイメージさせられるような、そんなお盆を感じさせられる歌が「パプリカ」なのです。

なので、なぜかFoorinの子どもたちが歌っているものよりも、米津玄師さんが寂し気に歌っているのがフィットしていると感じるのです。

改めてこの文を読んでから、もう一度聞いてみると、何か変わるかもしれません。

▼米津玄師「パプリカ」の全歌詞はこちら

「パプリカ/米津玄師」の歌詞 って「イイネ!」

2.桑田佳祐「明日へのマーチ」

もう1曲ご紹介。こちらは桑田佳祐さんの「明日へのマーチ」。こちらは現代版「ふるさと」とでも呼びましょうか。そんな「ふるさとのことを想う」歌です。

「う~さ~ぎお~いし あのやま~」

がふるさとの歌詞だったかと思いますが、それに対応するかのように

「遥かなる青い空 どこまでも続く道 希望を胸に歩いてた あの夏の頃」

が歌いだしになっています。

ふるさとは遠くなった気がするけど

「明日へのマーチ」という曲名でありながら、「ふるさとはどうなってるだろうか…」という後ろ髪ひかれる気持ち「まあでもなんとか越えていくっきゃないね!」という前を向こうとする気持ちとが交錯する、不思議な対照が際立つ曲になっています。

前者の 「ふるさとはどうなってるだろうか…」という後ろ髪ひかれる気持ちは

想えば恋しや わすれがたき故郷
願うは遠くで 生きる人(=故郷に置いてきた人)の幸せ

(中略)

夢にも寄り添う 愛しい人の面影
もう一度会えたら あるがままの姿で

桑田佳祐作詞・作曲「明日へのマーチ」より

と表現されており、後半の「愛しい人の面影」以降は、亡くなった方、より具体化すると突然あの世に行ってしまった方のことを思い出して、「もう一度会えたなら」という気持ちになっていることがわかります。

一方で後者の 「まあでもなんとか越えていくっきゃないね!」という前を向こうとする気持ちはサビの

良いことも 辛いことも
それなりにあったけど
野も山も越えていこう
明日へのフレー!フレー!

桑田佳祐作詞・作曲「明日へのマーチ」より

というシンプルな「フレー!フレー!」に現れています。

このような表現になったのも、作った時期を考えてみるとより理解できる気がします。

生まれたときは

この曲は2011年8月リリース、この年は東日本大震災があった年でした。

「自粛ムード」が日本中を包み込んだ年

当時の被害は未曽有のものでしたし、日本中が喪に服するような、そのような時期でもありました。

そのとき亡くなった方の新盆でもある2011年8月

その中でも、夏のお祭り男(と言っていいんですかね?)の桑田佳祐さんが書いた曲、と考えると、ひとつひとつの言葉の重みを感じます。

曲の中身も、暗い中にも希望を、ふるさとに後ろ髪ひかれる気持ちの中でも前を向ける、そのこだわりがあったから、 「ふるさとはどうなってるだろうか…」という後ろ髪ひかれる気持ち「まあでもなんとか越えていくっきゃないね!」という前を向こうとする気持ちとが交錯したのではないか、と思います。

この曲を改めて今僕が聞いて、「故郷を想う」気持ち、そして、「それでもまあなんとか前向いていきましょーや」という気持ちを混ぜながら、生きていくんだよなあ、とお盆に感じたので、今回紹介しました。

▼桑田佳祐「明日へのマーチ」の全歌詞はこちら

「明日へのマーチ」/桑田佳祐」の歌詞 って「イイネ!」

お盆は「あのひと」「あの場所」を思い返すとき

今回、お盆を感じる曲として、米津玄師さんの「パプリカ」と桑田佳祐さんの「明日へのマーチ」をご紹介させていただきました。

昨年2020年に続き、今年2021年も帰省をやめておこう、という方も多いかもしれません。

そんなときに、ふと「あのひと」「あの場所(ふるさと)」を思い返す歌を聴いて、思いを巡らすお盆になりますように。

▼note「しまさんの読むRadio」のバックナンバーはこちら

しまさんの「読むRadio」|しまさん|note

▼緊急事態宣言!ということでお坊さんのTwitterでもフォローしませんか?

この投稿へのコメント

コメントはありません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

この投稿へのトラックバック

トラックバックはありません。

トラックバック URL