お寺息子に聞きがちなあるあるまとめました。
もくじ
お寺の息子 にありがちな質問に答えます。
あなたの身の回りに、 お寺の息子 がいるとき、こんな質問してませんか?
僕ももちろん、よく聞かれます(笑)
参考
1.「お金持ちだよね~」と言われがち
このことに関しては、賛否両論あります。
「お檀家さんを抱えているんだから、しっかりお経を読み、人の悩みを解決するという仕事をしている。その対価としてお布施もらってるんだからいいんじゃない?」というのが私の親の主張でした。
でも、実際よくいわれるのは「税金払わないんでしょ?」というコメントです。だからお金あるじゃん?と。
実際、宗教法人は法人税法上、非課税法人として扱われています。なので、実際お寺としては税金を払ってません。
いや、「所得税とか住民税とか相続税とかはがっつり払ってますけど?」と言いたいところです。
なにせ、お布施が収入源で、それがかなり高額になることが多いです。
そのため、お寺のお坊さんはいろんな対策をしてることが多いです。
・対所得税・住民税対策:寄付、募金、ふるさと納税など、寄付控除になること
・相続税対策:生前贈与、寄付
あといわれるのは、「お布施とかでがっぽがっぽ稼いでるんでしょ~?」ですね。
わたし自身は裕福めなお寺生まれですが、お金持ちなのはすべてのお寺に言えるわけではないよ、というのを主張したいです。
東京などの大都市圏では、檀家の数が多く、地主も多いので、お布施の額が少なくても、件数が多いのでかなりの収入になります。
ただ、地方に行くと、少なからず副業(例えば教師や農家)をやりながら生活しているお坊さんも多いです。
そのため、「ほんとはこういうこと、したいんだよね…」というお坊さんが日常のことで忙殺されていることはよくあるようです。
なので、これからお寺が怪しいって言われるのが嫌なので(これはもうどこでもそう)、ぜひこのコメントいただいたら「いやーそんなことないよ~」ではなく、「そうだよー、だから色んな人にお返しするための準備しているんだよー」とか「よくいわれるけど、うちは副業とかしないと大変なのよー」とか、そういう答えが返ってくると思って、聞いてくださいね(笑)
意外と、デリケートな話でもあります。
僕は、そういったお寺さんの味方になりたくて、実際にいろいろ動いてみてます。
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2.賽銭が収入だと思われがち
これもよくあります。お寺の賽銭は収入にしているところも多いですが、私のお寺は「全部募金」しています。
なので、この質問されたら「あー、全部募金してますね~」と答えます。
これ、結構効果的で、3.11の後なんか、3日で10万集まりまして、すぐに赤十字に寄付していました。
というか、お寺のメインの収入は「葬儀や法事のお布施」です。
檀家の会費は掃除代にほとんど溶けますし、お賽銭は多く手に入るところで1日10000円行かないと思います。うちのお寺では3000円行ったら「すげーーーーーー!」ってなります(笑)
つまり、お檀家が減ると困るのは、「会費が減ること」や「お墓にお参りに来なくなること」より、「生前に葬儀や法事の発生する可能性のある、固定客がいなくなること」なわけです。
もちろん、生前に幸せであってほしいですし、長生きしてほしいですが、亡くなって供養をしっかりしていただくということがお仕事なのです。この話はまた別で書きますね(笑)
もちろん、お賽銭を元手にしているお寺さんがないとは言いませんが、私の実家の場合は違います。
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3.お経読んでみて!って言われがち
とりあえず言わせてください。
正直、嫌です。
これはもう、イラストレーターの知人に、「絵上手でしょ?これ書いてくれない?タダで!」と言ってるのと大して変わりませんからね!
僕はお坊さんの資格の中でも一番下の位を持ってはいるので、主張したいところですが、ほんとのお坊さんに失礼な気がするので、やりません(笑)
ただ、正直言って、人前で、しかも公衆でやるものではないし、ほかの人が読んでいるから、あのお寺という場でやるから意味があるものをやれっていうのはあまりにも失礼な気がします。
とりあえず僕は嫌ですが、これについては人それぞれではないでしょうか?
4.食べものって制限あるの?
はい、だいたいのお寺家庭では制限ないと思います。
たぶん、精進料理という言葉を聞いたり、日本史を学んだことがあったりした人に聞かれることが多いですね。
今のお坊さん、特に鎌倉時代生まれの仏教(浄土真宗や日蓮宗など)は普通にピザも食べるわ焼肉やビフテキも食べるわ焼き鳥も食べるわ、さらにはお酒もがっつり飲んでます。
これと同じ枠の質問に「クリスマス祝うの?」「バレンタインデーという概念は存在するの?」というのがあります。
ボクには無縁()ですが、お寺的には何も変わりません。クリスマスプレゼントもらってましたし。
ただ、昔の仏教(天台宗や真言宗よりも前に成立したもの)や禅宗はどうなのか知りません…どうなんでしょうね?
鎌倉新仏教は「大衆性」重視なので、お坊さんも同じくらい大衆性が高いです。なので、関係ない場合が多いですよ。
ちなみに、ごちそうは和食ばかりなの?という質問があり、お寿司しか出なさそうというコメントも頂きましたが、関係なく、上みたいに肉が普通に出ます(笑)
せっかくだから、これからはヴィーガン料理の発信とかしたらおもしろそうですね。
発信している人がいるかなーと思って、ツイッターを見たら大荒れでしたw
https://twitter.com/search?q=%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%80%80%E3%81%8A%E5%9D%8A%E3%81%95%E3%82%93&src=typed_query&f=top
5.お塔婆って、印刷なんでしょ?
この質問は、だいぶ増えた気がします。でも、ああいうの持っているお寺、そんなにはないはずです。
実際に、ツイッターにも上がっていたのですが、普通は手書きです。
卒塔婆(そとば)はどこの寺も印刷だと思っている方が多くて心が折れる。
そんな人全員にささげたい僧侶のタイムラプス。
ちなみにこれでもほんの一部です。※これ撮ったのは去年ですが
今年も頑張って書いてます。
新作できるかなー#坊さんあるある #坊さんあるある2018盆 pic.twitter.com/SzCdquBBHn— ワケテツヤ (@wake_tetsuya) 2018年8月13日
ちなみに、この質問が増えたのは、ワイドショーで取り上げられることが増えたことにもありそうですが、なにより初見は「トリビアの泉」ではないかと。
トリビアの泉で、塔婆の印刷機が取り上げられたころからだと思います。当時はそこまで話題にしていなかったのですが、なぜか今の方が確実にこの質問が増えた気がします。
※ちなみにこの塔婆の印刷機を取材されたお寺さんのブログ記事がありました。詳しくはこちら>>
お坊さんの数少ないお仕事なので、と思いましたが、将来的にはほかの仕事を増やすために導入するところも出てくる気がします。
生産性向上、という観点で言うと、ぶっちゃけ最高にソリューションだと思うので。
お坊さんのほかの仕事が増えていく話は、ここにも書きましたが、より今生きている人の安心を作ることになるのかなと。
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それが、「あそこのお寺の坊主は楽しやがって」みたいな言説につながらないといいなーなんて思います。
6.お寺にとってはお休みの時期が一番大変
「お休み」というと、お盆と年末年始があると思います。
ただ、実質サービス業のお寺にとって、普通の会社員の皆様が休みになる時期は、すなわちめちゃくちゃ忙しい時期になります。
年末年始…ご挨拶にいろんな人(檀家、総代、その他いろんな人)が来るうえに、初詣でいつもは来ない人がたくさん来る。そんでもって、お寺は寒い。
お盆…実家に帰り、お参りにいろんな人が来る。しかも普段から来る人ももちろん来るので、単純に2~4倍くらいの来客になる。あと、8月は亡くなる方も多く、葬儀が発生することも多い。さらに、一家がそろいやすいので、お盆のタイミングに法事を入れる家族もいらっしゃる。さらにさらに、上記のように法衣を着ているので、法事ひとつとっても、棚経に行っても、めちゃくちゃ暑い。
と、みんなが休みの時期に大変な思いをして働いているわけです…。
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7.メガネ率が結構高い・・・
お坊さん、結構メガネ率が高いのです。私もそう、兄もそう、父もそう・・・笑
うちの家族だけなのかな、と思いつつつぶやいてみたら、どうやらいろんな方がそう思っているようで・・・
髪型同じで識別困難だから
メガネで個体識別したいのに
みんな黒縁眼鏡なんですよね
困りますw— お*く*ち@念仏者 (@0kchi) 2019年6月16日
そんな気はしますww
しかもみんな似た感じのメガネが
多いですよねw— 寺子屋@町田 at祥雲寺 (@terafesmachida) 2019年6月16日
勝手に雰囲気を感じ取って「多い」とか言っちゃいましたが、実際そのようです(笑)
原因はいろいろあると思うのですが、やはり目を酷使するお坊さんが多いのではないでしょうか。お経の文字小さい、お経を読むところは薄暗い・・・
8.どこの宗派かは「袈裟」を見ればわかる
『君の宗派は。』 pic.twitter.com/E2Wb23TtfB
— 坊主バンド (@vowzband) May 4, 2019
このツイート、一見は「みんなお坊さんじゃん。」と見えるかもしれません。
しかし、お寺息子はわかります。
「あ、本当にそれぞれバラバラの宗派の方だ。」と
お坊さんの宗派の見分け方は「袈裟のカタチ」でだいたい見分けがつきます。
ちなみに左の方が浄土真宗、真ん中の方が禅宗系(どっちでしたっけ?)、右の方が(多分)浄土宗です。
そんな感じで、意外と見分けつけています。
ちなみに、髪の毛が坊主じゃないけど袈裟を着ていたらだいたいの場合は浄土宗か浄土真宗の方です。
9.参拝者がいると、地味にうれしい
これは、本当に思うことです。
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上記の記事にも書きましたが、気軽な気持ちで、お寺には来てほしいなと思います。
だから、毎朝6時に山門を開けて、すぐにご近所さんが来る、そんな状況は非常にうれしいですし、お寺の役割果たしているなーと思います。
なので、ぜひ近くにお寺があるならば、1回でいいので、顔を出してみてください。いや、もはやちょっと参拝するだけでもOKです(笑)
近くのお寺を探すのであれば、ホトカミが便利ですよ~。
10.お寺と神社、間違えられがち
これ、ホント困ります(笑)
ちなみに、私のお寺は神社とほぼ隣接していたので、来客があって、「はい、どうしましたか~?」と伺うと「ここって○○神社ですか?」と言われるのです。
あらためて整理しますが、鳥居(下の写真)があるのが神社
でもって、山門(下の写真)があるのがお寺です。山門に書かれている文字は「山号」と言い、由来はさまざまですが、そのお寺がある山の名前や創建した人名などを引用して「○○山」と書かれているのです。それが書いてあるので「山門」。「比叡山延暦寺」の「比叡山」なんかはいい例ですね。
ちなみにですが、こういう「お寺と神社が隣接しているところ」は結構あります。
有名どころだと、「浅草寺」と「浅草神社」。前者は「せんそうじ」で、後者は「あさくさじんじゃ」です。
どのくらい隣接しているかというと…下記の地図のように、リアル隣接です。
僕の実家のお寺も、すぐ横に神社があります。
昔から、こういうパターンは多く、いかにも多神教国家の日本らしいっちゃ日本らしいですね(笑)
まとめ
ここまで、いろいろまとめてみましたが、まだまだあると思います。
ぜひ、関連記事もお読みいただけるとありがたいです!
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— しまさん@お寺をアップデートしよう (@shima_sun_0) 2019年5月18日
1995年神奈川県川崎市のお寺生まれ。中高は全寮制男子校に6年間通い、その後横浜国立大学経営学部にて「宗教法人の情報開示 ~公益性の観点から~」をテーマに、ソーシャルセクターの中の宗教法人の情報開示を、公益性・社会性の観点から評価し、開示する方法を研究。その後はコンサルティング会社で働きつつ、「#お寺をアップデート」を合言葉に、お寺をソーシャルグッドな存在にするための方法や、お寺のこれからのカタチを発信している。また、実際にお寺の現場に訪問し、お寺のアップデートを実際に手伝うことも。詳しいプロフィールはこちら>>
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